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スペクトリス株式会社 マルバーン・パナリティカル事業部

粒子計測装置とX線分析装置を提供する、Malvern Panalytical(マルバーン・パナリティカル)社の日本事業部です。粒子計測、熱分析(カロリメトリ)などの製品を持つMalvern社と、X線回折や蛍光X線分析装置メーカーであるPanalytical社が2018年に統合し誕生いたしました。各分野のリーディングカンパニーである両社の統合により、R&D、プロセスコントロール、品質管理、材料特性分析に携わる幅広い業界のお客様へ、 最先端のソリューションをご提供いたします。

会社カテゴリー:

主サービス提供地域:

製品・サービス詳細

定義された仕様を満たすナノ粒子、およびナノ粒子キャリア分析 ”ゼータサイザーアドバンス”(DLS)

サービスカテゴリー:

粒子径測定、ゼータ電位測定、分子量測定を1台で対応できるナノ粒子・高分子向けの分析装置「ゼータサイザー」のアドバンスシリーズです。

ゼータサイザーアドバンスシリーズの機種:6種類からニーズに合わせてお選びいただけます

ゼータサイザーアドバンスシリーズはレーザ出力、光学系の異なる6つの機種をご用意しています。お客様が測られる試料や必要とされる機能に合わせてご自由にお選びいただけますが、万が一ご導入後に上位機種が必要になった際にも、同じレーザ出力同士であれば、アップグレードの対応もしています。

全機種共通の機能として、新しいソフトウエア ZS Xplorerの搭載し、ユーザフレンドリな使い勝手と併せて、測定時間の短縮とデータの安定化を図っています。 レーザはいずれの機種でも、ゼータサイザーナノシリーズと同様に、コヒーレント性が高く、長期にわたって安定した633 nmのヘリウムネオンレーザを使用しています。 

赤ラベルは高出力で散乱光が得られにくい分析にも対応

赤いラベルの10 mWタイプは生体材料やミセル、シングルナノの粒子など、散乱光が得られにくい分析サンプルに向けた高出力モデルです。 

青ラベルは多種多様な試料に対応
青いラベルの4 mWタイプは広く様々な試料に対応した一般モデルになります。


ゼータサイザーアドバンス8つの特長

1. より直感的で使いやすくなったソフトウエアZS Xplorer(全機種対応)

ゼータサイザーアドバンスではナノシリーズからソフトウエアを刷新しています。測定のアルゴリズムの見直しによる結果の再現性の向上の他、アイコンを取り入れたより直感的な測定条件設定画面、測定結果の品質アドバイス機能の強化など、装置ご導入後すぐに実践的に測定業務を進めていただけるようになっています。

2. 測定時間を短く、より安定したデータに導く解析アルゴリズム Adaptive correlation

動的光散乱法(DLS)での粒子径測定では、粒子から得られる散乱強度が粒子径の6乗に比例して変化するために、大きな粒子が存在するとそれは少量でも測定結果に影響し、再現性を低下させるという、原理的な問題がありました。従来のゼータサイザーナノでは測定時間を長くとりデータを平滑化することで再現性の問題を回避していましたが、データの積算回数とデータ選択基準を見直した新アルゴリズムAdaptive correlationを搭載することで、測定時間を短く、粗大粒子やコンタミネーションによる影響を回避できるようになりました。

1㎎/mlで調整したリゾチームでのゼータサイザーナノシリーズの動的光散乱法(DLS)測定結果(上)とゼータサイザーアドバンスシリーズの動的光散乱法(DLS)測定結果(下)

 

3. 初心者でも最適な条件設定で動的光散乱測定ができ、広い濃度範囲に対応する特許技術NIBS®(Pro/Ultra対応)
動的光散乱法(DLS)では粒子の散乱光を正確にとらえる必要があるため、多重散乱を起こすような高濃度測定が難しいと言われていましたが、ゼータサイザーナノシリーズでは、特許技術NIBS®(非接触後方散乱技術)を搭載することで、高濃度測定にも対応してきました。このNIBS®は動的光散乱法の測定時に利用することで、DLSで測定できる濃度はppmオーダーから最大で40 wt%までとなり、希釈をしたくないサンプルにも広く測定ができるようになっただけでなく、装置が自動的に最適な光学的条件を決定することが出来るため、初心者の方でも最適な条件設定で動的光散乱測定(DLS)ができるようになりました。 この技術はゼータサイザーPro、UltraでもDLSでの粒子径測定の機能として引き続き搭載されています。

4. 高塩濃度試料のゼータ電位測定も可能な一定電流モードを新規搭載(全機種対応)
測定時間を短く、安定したゼータ電位測定を可能にするM3 PALSはゼータサイザーナノシリーズよりゼータ電位測定に対応した全機種で搭載されていましたが、高塩濃度試料でのゼータ電位測定でより安定した結果を算出するために搭載された機能です。電流値を一定に保って電気泳動を行うことで電極近傍の過熱を防ぎ、試料の劣化を低減させた状態での測定を可能にしました。

5. 正確で分解能の高い粒子径分布が得られる3角度での動的光散乱 MADLS®(Ultra対応)
MADLS®(多角度動的光散乱法)搭載のゼータサイザーUltraでは、前方・側方・後方の3角度に検出器を設置し、それぞれの検出器で得られるDLSの測定結果を組み合わせることで、動的光散乱法でも正確で、且つ分解能の高い粒子径分布(粒度分布)が得られるようになりました。

単一の角度検出でのDLSの結果(左)とMADLS®での粒度分布(右)

6. MADLS®を応用して粒子濃度算出が算出できるようになりました(Ultra赤ラベル対応)
MADLS®(多角度動的光散乱法)を応用して、得られる粒度分布と溶媒由来・試料由来の各散乱強度情報から濃度情報が算出できるようになりました。 ナノ粒子の液中の粒子濃度を測定する従来法であるナノトラッキング(NTA)法と比較しても非常に相関の高い結果が得られます。 

7. より安定した測定を可能にした超微量粒子径用ディスポーザブルセル(Lab/Ultra対応オプション)
最小3μLでのDLS測定に対応した、ディスポーザブルセルをオプションでご用意しています。このセルは沈降の影響が低減できるため、密度調整した溶媒を動的光散乱測定(DLS)のためだけに準備しなくても1μm以上の粒子でより安定した測定を可能にします。 ディスポーザブルの部分はキャピラリーガラスになっているため、必要に応じて洗浄しての再利用が可能です。

8. 蛍光粒子の測定、異方性の推測にも対応できる光学フィルター(Pro/Ultra対応オプション)
ゼータサイザーPro、Ultraではバンドパスフィルターと偏光フィルターが内蔵されており、ソフトウエア上での切り替えが可能です。 動的光散乱法では蛍光を発する粒子は散乱光と蛍光の両方が検出されるとその揺らぎを検出することが難しく、蛍光を除去する必要がありましたが、バンドパスフィルターで蛍光をカットし、散乱光の波長のみを取得することで、蛍光粒子の測定にも対応できるようになっています。 また、垂直・水平2種類の偏光フィルターを通しての測定も同じくソフトウエア上で切り替えができるようになりました。この偏光測定の組み合わせにより、粒子の異方性を推測できる可能性が出てきています。

ゼータサイザーはデータ・インティグリティにも対応(全機種対応)
製薬メーカーでFDAのCRF21 Part11やEU GMP Annex11規制といったバリデーション対応やレギュレーション準拠の必要がある方は、ゼータサイザーアドバンスシリーズと併せて統合型バリデーションシステムOMNITRUSTもご参照ください。OMNITRUSTはゼータサイザーアドバンスシリーズ全機種に対応しています。