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株式会社JSOL

ICTコンサルティングから提案営業、システムの構築・運用にいたるまで一貫したトータルソリューションを提供します。システム構築後も、保守フェーズでお客さまとコミュニケーションを続けながら、次のビジネス成長や事業展開へ向けた取り組みを提案するなど、ビジネスを共創する真のパートナーシップを発揮しています。

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製品・サービス詳細

PlaPi活用事例:第一三共エスファ様

サービスカテゴリー:

膨大な医薬品の製品情報を「PlaPi」に集約。
画像を含む横断的な検索を可能とし、
医薬品包装デザインの効率化・デジタル化と、リモートワークを実現へ


ジェネリック医薬品業界の中で絶えず挑戦を続け、患者さんの笑顔のためにできるすべてに目をむけて、 服薬アドヒアランス※の向上を目指し、飲みやすく、飲み間違いが起こりにくい製剤、表示、包装に創意工夫を凝らしてきた第一三共エスファ。
新たな包材デザインには、膨大な既存製品の包材も参考にしていたが、その管理に負担がかかっていた。
そこでJSOL のクラウド型製品情報管理サービスPlaPiを導入した。

※服薬アドヒアランス:患者さん自身が自分の病気を受け入れて、医師の指示に従って積極的に薬を用いた治療を受けること
 

課題・解決・効果


 第一三共エスファ様の課題 

 ・新製品のパッケージ等の包装材企画、デザイン設計を検討する際、膨大な既存製品の中から、参考になる情報をピックアップする作業負担が大きい。
  ※医薬品の包装材デザインは、薬剤師の作業ミスや、患者の飲み間違いを防止する観点で、非常に重要。

 ・包装材の実物(薬の包装に使われているアルミピローや、錠剤、パッケージの箱など)を確認しながらの作業が必要で、コロナ禍に伴うリモートワークに
  対応できない。

 解決 

 ・画像を含めて製品情報をクラウドで管理できるPlaPiを導入

 ソリューション導入効果 

 ・過去の画像データ含めて、製品の包装材関連情報をPlaPiに一元管理。
  様々な条件での横断検索が可能となり、新しい包装材のデザイン設計時の業務効率化を実現。

 ・業務のデジタル化、ペーパーレス化によるリモートワーク対応を実現。

 

医薬品の包材の工夫で、飲みやすさと医療事故防止を両立


第一三共グループの国内ジェネリック医薬品事業会社として2010 年に設立された第一三共エスファは、国内有数の製薬会社である第一三共のCustomer Profile高度な技術と品質、サービスを受け継ぎながら、患者さんの経済的負担を軽減するジェネリック医薬品の製造販売事業を展開している。

第一三共エスファでは、薬の飲みやすさと飲み間違い防止、さらには薬剤師の先生方の調剤監査をより正確で効率的に行えるように、製剤、表示、包装に創意工夫を凝らしてきた。例えば、錠剤の両面に薬の名前や含量を印刷、薬をパッケージするPTP シートや個装箱にシンボルマークやバーコードを表記するなどである。

しかし「その管理には多大な手間と負担がかかっていました」と、経営本部 製品企画部 製品企画グループ 主査 塩澤有紀氏は説明する。医薬品の包装に関する企画や市場調査、デザイン設計、版下管理、付加価値検討を担当する製品企画グループでは、包材も管理している。包材は製剤印字、PTP シート包装、ピロー包装、個装箱、元梱、ラベル等があり、1製品ごとに保管すべきものは少なくない。

塩澤氏は「新製品の発売や既に販売中の製品の改版の際には、包材のデザイン設計を行います。その際、既存製品の包材をピックアップし、実物と比較検討することが新たな工夫や製品に合わせた包材を設計するために大変重要なプロセスとなっています。」と語る。

第一三共エスファ本社

新製品検討時の既存製品の包材ピックアップに負担


第一三共エスファでは、包材の版下校了紙、現物サンプル、包装仕様書などを保管している。だが同じ製品でも、含量や包装単位の違いにより複数種類の包材が存在し、すべてのバリエーションを管理する負担は大きかった。管理している包材は、製品数100 以上、包装規格数500 以上に及び、さらに、毎年6月と12 月の新製品発売の都度増え続ける現状にある。

そのうえ、工場を持たないファブレスという事情もあった。製造委託している包材メーカー、ディーラーの違いによってフォーマットも異なるため、包材の種類が多く、負担を高めることになっていたのである。

塩澤氏は、「自分が過去に担当した製品でないと見つけ出せないくらいです。担当外の製品について調べるときは、整理棚にあるものをすべて引き出して作業するほど。商品数が今後も増加することを想定すると、この状況を変える必要がありました」と危機感を説明する。

またリモートワークへの対応も課題となっていた。コロナ禍によって出社しない働き方が求められていたが、「保管庫にある版下校了紙などの実物を確認するとなると出社しないと業務ができません。リモートワークをするには、デジタル化、ペーパーレス化が必要でした」と経営本部 製品企画部 製品企画グループ 渡邊蓉子氏は説明する。
 

画像を含めて製品情報を一元管理し、すばやく検索できるPlaPi


それらの課題を、医薬品に強いICT企業に相談したところ、いくつかの解決策を提示されたが、その中で目を引いたのがJSOLの製品情報管理クラウドサービスの「PlaPi」だった。

その理由を塩澤氏は「PlaPi は、画像を含めた製品情報を様々なセキュリティ対策を施したクラウドで一元管理できるという点に着目しました。文字情報を中心に製品情報を管理するサービスではいくら検索がしやすくても、私たちの業務には合いません」と説明する。すでにクラウドサービスとして提供されている点でもPlaPiに対する安心感があった。

「ICT に詳しくないため、ベンダーと一から交渉してシステムを作り上げるのは不安でした。その点、PlaPi ならすでにできあがっているので、多少カスタマイズすれば使えるのではないかという期待がありました」(塩澤氏)
 

JSOL との議論を経て、横断的な画像検索やUIなど機能を強化


2020 年7月、JSOL によるPlaPi のデモ説明を受け、機能や画面などの使い勝手を確認した。その後、数回の打ち合わせを通してJSOL に要望を伝え、機能を追加するなどのカスタマイズを続けた。

そのとき新しく追加した機能が「メディア検索」だ。これは「オレンジ色のPTP シートを使った製品をまとめて探したい」というように、製品をまたいで横断的に画像で検索する機能である。

「実物を確認しながらの作業では、個々の製品をひとつずつ調べていく必要がありました。しかしメディア検索によって、あるデザインの条件に合致する製品を一覧で見ることが可能となります。製品別ではなく、各アイテム別に検索が出来るメディア検索機能を構築することで、スムーズに次の案件を考えられるようになります」(塩澤氏)

JSOL は、この機能改善要望を受け、「メディア検索」はユーザー利便性を大きく向上するとの判断から、第一三共エスファ向けの個別カスタマイズではなく、標準機能に追加することとなった。

また医薬品、特にジェネリック医薬品は製品名が長いという事情にも配慮した。当初、製品名の後半が隠れていたが、最後の方に含量など重要情報が記載されることも多い。PlaPiの既存の画面レイアウトでは製品名が全て表示されないケースがあり、スクロールして最後まで表示させるのは意外と手間だった。そこでJSOL に相談し、簡単に製品名称をすべて表示できるように画面レイアウトを改修した。

PlaPi 導入を進めるにあたっては、お客様相談室、品質保証や安全管理など他部門とも相談した。これまでもお客様相談室に、薬剤師などから問い合わせを受けたときに、内容によっては製品企画グループに問い合わせが来ていた。しかし、必要な情報をすべてPlaPi で一元管理できれば、お客様相談室がPlaPiに直接アクセスして回答できるようになる。そこで他部門からも要望を聞きながら、登録する情報、項目などを決めていった。

また、検索のための単語、タグの選定には特に時間をかけたという。「何という言葉で検索をすれば目的の情報にたどり着けるかということを、製品企画グループの中で時間をかけて何度も議論し、各自が蓄積してきた経験やノウハウも含め、共通している情報の標準化を図っていきました。そういういろいろな要望をJSOLに汲み取ってもらい、形にしていただいたことにはとても感謝しています」(渡邊氏)

実際に利用を始める前には、PlaPiにデータを登録する作業が欠かせないが、その作業はJSOL に委託した。その理由を塩澤氏は「データ量が非常に多くて、とても自分たちでは手に負えなかったのです。何より私たちには、ICTに関するスキルが足りず、どういうデータをどのような形式に整理するとPlaPiにアップロードできるのかを掴むのに苦労しました」と語る。

それらのやり取りを通して感じたのは、JSOLの製薬業界、製品情報管理における確かな知見だったと言う。「医薬品の包材管理は特殊な分野。一般の方には、どういう素材がどれほどあるかもわかりにくいことでしょう。JSOL はそれらの知見を持って、このプロジェクトに臨んでくれました」と塩澤氏は語った。

JSOL とのコミュニケーションのスピードにも信頼を寄せているという。「ICT に詳しくないため対応に苦慮するような質問もしたと思います。しかしいつもすぐ、遅くても翌日には回答が届いていました。早すぎて『もう返事が来ている』と慌てたこともあったほどです」と渡邊氏は当時の様子を説明した。
 

業務のDX化やリモートワークの推進


2021年3月現在、全データの1割をPlaPiに登録した段階だ。すべての登録を終え、本格稼働するまでには数ヶ月先になる見込みである。

これまでの導入を振り返り、渡邊氏は「ここにアクセスすれば情報があるというプラットフォームを構築できました。本格稼働を始めたらリモートワークでもスムーズに業務が進みますし、他部門との連携もオンラインで進められるようになります。」と期待を口にした。

塩澤氏は「こういった情報管理システムは、なくてはならないものとして認識しています。このような取り組みを通して、会社全体のデジタル化・業務効率化を進めていきたい」と抱負を語った。

(2021年5月現在)


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