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スペラファーマ株式会社

医薬品のCMC研究開発および製造受託事業(CDMO)

会社カテゴリー:医薬品開発業務受託機関(CRO)、製造受託機関(CMO)、分析、試験受託サービス、その他受託サービス

主サービス提供地域:日本、アメリカ合衆国、ヨーロッパ

ニュースリリース詳細

掲載日:2023/02/07

掲載日:2023/02/07

【研究実績】弊社メンバー執筆論文がACS Editors’ Choice®に選定されました

弊社CMC研究本部原薬チームのメンバーが国立大学法人東北大学の皆さまと共著した以下の論文が、 ACS(アメリカ化学会)のACS Editors’ Choice®*に選定されました。
現在、期間限定で無料公開されておりますので、この機会に是非ご覧ください。

【原論文情報】

雑誌名:Organic Process Research & Development

タイトル:Efficient and Scalable Asymmetric Total Synthesis of (−)-Emetine with Pharmaceutical Grade Quality; First Multigram Scale Synthesis

掲載日:2023年1月24日

著者:Masatoshi Yamada,* Kazuki Azuma, Iori Takizawa, Yuki Ejima, Mitsuhisa Yamano, Kimio Satoh, Takayuki Doi, Hirofumi Ueda, and Hidetoshi Tokuyama

概要:
天然物(–)-エメチンは、催吐剤トコンシロップの主成分です。また、最近では新型コロナウイルス治療薬の候補化合物として研究開発が進んでおり、共著の東北大学では、難治性疾患実用化研究事業の一環として、希少疾患である肺動脈性肺高血圧症(Pulmonary arterial hypertension, PAH)の治療薬としての研究開発が行われ、近年に注目を浴びている化合物です。
しかしながら、化学合成で取得することが難しい天然物合成の世界において、筆者らは(–)-エメチンを工業的に化学合成可能な方法を開発することに成功しました。不斉点を構築する不斉誘導工程では、弊社オリジナル不斉配位子(R)-DADMP-BINAPを用いるエナンチオ選択的な銅触媒的不斉アリル化反応の開発に成功し、テレスコーピング技術や高い精製効果のある単離工程を組み入れて、計13工程でシリカゲルカラムなどの工業的に不向きな精製方法を用いることなく(–)-エメチンに誘導することに成功しました。
さらに、開発した合成法を適用して安価な出発原料であるホモベラトリルアミン1.4kgから最終物(–)-エメチン二塩酸塩237gを目的の品質として取得しスケールアップに対する堅牢性も確認しました。

URL: https://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/acs.oprd.2c00355

DOI: https://doi.org/10.1021/acs.oprd.2c00355

また、本件はChemistry Viewsのニュースとして取り上げられました。
URL: https://www.chemistryviews.org/scalable-total-synthesis-of-%e2%88%92-emetine/

今後もスペラファーマは培った技術と経験を活かし、これからもお客さまの課題解決をサポートし、迅速な医薬品創生に貢献して参ります。

以下より、本論文執筆者の一人、弊社山田のコラムもご確認頂けます。

*ACS Editors’ Choice®とは
ACS(アメリカ化学会)が発刊している64以上の査読付き論文の中から,世界的な著名なエディターが1日につき1つの優れた論文を選択する制度です。「ACS Editors’ Choice®」に選ばれた論文は,期間限定で無料公開されると共に,ACS会員やACS雑誌の購読者にそのことがメールで連絡され、非常に名誉ある選抜制度です。