ケルバー・ジャパン株式会社
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会社カテゴリー:プロセス測定・検査、供給・搬送関連機器・サービス、プラント・設備・エンジニアリング、包装関連資材・機械・サービス、ITソリューション、コンサルティング
主サービス提供地域:日本
ニュースリリース詳細
掲載日:2026/10/29
掲載日:2026/10/29
Microsoft AzureとPharmaGuardrailsを基盤としたKörber「K.AI」の取り組み
製薬GxP環境で生成AIをどう活用するか
― Microsoft AzureとPharmaGuardrailsを基盤としたKörber「K.AI」の取り組み
生成AIの活用が急速に広がる一方、医薬品製造をはじめとするGxP環境では、一般的な生成AIをそのまま業務に適用することは容易ではありません。
その背景には、AIが事実と異なる回答を生成する「ハルシネーション」、回答根拠の確認、データの取り扱い、トレーサビリティ、さらにはGxPプロセスで利用する際の検証や人による最終確認といった、規制産業特有の要求があります。
Körberは、こうした課題に対応するため、MicrosoftとのAIイノベーションパートナーシップのもと、製薬・ライフサイエンス向けAIプラットフォーム「K.AI」をMicrosoft Azure上で展開しています。
Microsoft Azureを基盤としたAIプラットフォーム
K.AIでは、Microsoft Azure、Azure OpenAI Service、Azure AI FoundryなどのAI・クラウド技術と、Körberが持つ製薬製造およびGxPに関する知識を組み合わせています。
MicrosoftのCustomer StoryでもKörberの取り組みが紹介されており、KörberはMicrosoft Azureを基盤として、製薬製造におけるAI活用を進めています。
特に製薬製造では、製造レシピやMBR(Master Batch Record)の作成・更新に多くの時間と専門知識が必要となります。規制変更や製造条件の変更が発生した場合には、関連する多数のレシピや文書への影響を確認し、適切に更新する必要があります。
KörberとMicrosoftは、こうした作業をAIによって支援することで、製造レシピのデジタル化、検索、更新を効率化することを目指しています。
初期のパイロットプロジェクトでは、レシピのデジタル化に要する時間が約30%短縮し、手作業を最大40%削減したことが報告されています。
GxP環境でのAI活用を支えるPharmaGuardrails
製薬製造においてAIを利用する場合、単に回答速度や利便性が高いだけでは十分ではありません。
AIが生成する情報について、どの情報を根拠としているか、数値が正しいか、対象範囲外の回答をしていないか、といった点を確認できる仕組みが必要です。
Körberでは、このために独自の「PharmaGuardrails」を開発しています。
PharmaGuardrailsは、生成AIによる回答を製薬業界の要求に合わせてチェックし、誤った回答や対象範囲外の回答を抑制するとともに、トレーサビリティや検証を支援します。
一方で、AIが人の判断を置き換えることを目的としているわけではありません。Körberの考え方では、AIによる支援を活用しながらも、最終的なレビューや承認は人が担うことを前提としています。
K.AI Assistant ― GxP文書を自然言語で検索・活用
K.AIプラットフォーム上の具体的なアプリケーションの一つが「K.AI Assistant」です。
K.AI Assistantは、Körberの製品知識や、顧客がアップロードしたSOP、GxP関連文書などを参照し、ユーザーからの質問に自然言語で回答します。
製造現場や品質部門では、必要な情報を探すために多数のSOP、製造文書、品質関連資料を確認する必要があります。K.AI Assistantを利用することで、必要な情報を迅速に検索し、オペレーターやエンジニアの業務支援、教育・トレーニング、監査準備などに活用することができます。
顧客がアップロードした情報は、顧客ごとの専用環境内で参照されます。K.AIは顧客データそのものをAIモデルのトレーニングや再学習に利用するのではなく、必要に応じて顧客固有のKnowledgeを参照して回答を生成します。
K.AI AssistantはPAS-X MESと連携して利用できるほか、単独のAIアプリケーションとして利用することも可能です。
また、REST APIを利用したHeadless Integrationにより、K.AIのユーザー画面を直接利用せず、既存のアプリケーションや社内ポータル、デジタルワークフローからK.AIのAI機能を呼び出すこともできます。
AIによるMBR設計支援へ ― K.AI Designer
Körberはさらに、AIを情報検索だけでなく、製造プロセスの設計支援へと広げようとしています。
その一つが「K.AI Designer」です。
K.AI Designerでは、PAS-X MESに関するKnowledgeやKörberが蓄積してきた製薬製造のBest Practiceに加え、顧客固有のSOP、テンプレート、Best Practiceなどを活用しながら、MBRの設計業務を支援することが想定されています。
これにより、将来的にはAIが単に「質問に答える」だけではなく、製造レシピやMBRのデジタル化・設計・更新といった、より高度な製造業務を支援する方向へ展開することが期待されます。
AIの性能だけでなく「信頼できる仕組み」が重要
製薬業界におけるAI活用では、AIモデルそのものの性能だけを評価することはできません。
どのデータを参照しているのか、回答を検証できるのか、変更履歴を追跡できるのか、顧客データがどのように分離されるのか、最終的な判断を誰が行うのかといった、AIを取り巻く仕組み全体を設計する必要があります。
Körberは、Microsoft Azureによるクラウド・AI基盤、PharmaGuardrailsによる信頼性管理、製薬製造に関する専門知識を組み合わせることで、GxP環境におけるAI活用の実用化を進めています。
生成AIの活用が今後さらに拡大する中で、製薬業界では「AIを使うかどうか」だけではなく、「どのように信頼性を確保しながらAIを業務へ組み込むか」が、より重要なテーマになっていくと考えられます。
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